
カラブリア州産オリーブオイル
常緑で大木になるオリーブの樹は、カラブリア州の大自然の中でも輝くばかりにその存在感を放ちます。
カラブリア州には、紀元前7世紀ごろにギリシャ人が中近東からオリーブの樹を持ち込んだと言われています。
州内ほぼ全ての地域で良く生育する為に特別な植樹技術が不要だった半面、熟練した技が必要な収穫から搾油にかけての作業は、時代を追うごとに徐々に洗練されて現代に至ります。
カラブリア州にはDOP認定のオリーブオイルが3種類あり、それぞれブルツィオ(Bruzio)、ラメッツィア(Lamezia)、アルトクロトネーゼ(Alto Crotonese)と呼ばれています。
- DOP・アルトクロトネーゼのオリーブオイル(ALTO CROTONESE)
ビザンツ帝国時代に遡る歴史を持ちながら、商品として地域経済を引っ張る存在になったのは1800年代に入ってから。DOPアルトクロトネーゼはカロレア種から作られます。
カラブリア州産オリーブオイルの中で最も軽やかな香りとされるこのオイルは、加熱せず生で、もしくは魚や肉料理、簡単に調理された野菜などと一緒に使うとその特性を最大限楽しむことが出来ます。
見分けるには→ 黄色~薄黄緑色の色合い、デリケートなオリーブとフルーツの風味が特徴。
- DOP・ブルツィオのエクストラバージンオリーブオイル(EXTRAVERGINE DI OLIVA BRUZIO DOP)
コセンツァ県内のみで生産され、古来この地域を治めていた民族・ブルツィ人からその名前が取られました。
ポッリーノ山塊やシバリ平原周辺、クラーティ丘陵地帯やシラ高原入口付近が主な生産地です。
豊かな香りを損なわない様、完成した魚料理や肉料理にさっとかけて使う方法が最適です。
見分けるには→ 緑がかった黄金色、フルーツの様に華やかな味と香りが特徴。
- DOP・ラメッツィアのエクストラバージンオリーブオイル(EXTRAVERGINE DI OLIVA LAMETIA DOP)
ラメッツィアは古代ギリシャ時代にラコーニアと呼ばれていた一帯で、現在のカタンツァーロ県に位置したオリーブ畑が大変多い地域です。
この辺りのオリーブは、ほぼ全てカロレア種。よって、この地域のDOPオリーブオイルは非常に歴史があり、人々の生活に根差した物でもあります。
この地域のオリーブオイルはイタリア国内で広く販売され、家庭料理に欠かせない味となっています。
見分けるには→ 黄色から緑かかった色合い、どのお料理とも合うデリケートな香りと味が特徴。
- IGP・カラブリア州産オリーブオイル(OLIO DI CALABRIA IGP)
DOP認定オリーブオイルの存在の陰で、2016年12月20日、EUによってIGPカラブリア州産オリーブオイル(エクストラバージンオリーブオイル)の認定が行われました。
これにより、寒さが厳しい冬場に降水量が多く、暑く乾燥した夏を持つ独特の気候を特徴とするカラブリア州内で生育するオリーブの樹から生産されるエクストラバージンオリーブオイルに、IGP印が付くこととなりました。
IGPカラブリア州産オリーブオイルは、搾油後にステンレス製の専門容器で保管・熟成する必要があります。
見分けるには→ フルーツをほうふつとさせる、若い緑色のオリーブ臭が特徴。おり(澱)を自然に沈殿させてからボトリングされる。